矯正歯科治療
こどもの矯正歯科治療 対象年齢は3〜12歳ごろが多いです。 |
1、乳歯列期 乳歯列期に、受け口(反対咬合)・横にアゴをずらして咬む(交叉咬合)・乳歯がすりへっている というような状態の場合、その後の成長をできるだけ正常な方向に三次元的に誘導するために、取り外しのできる装置を装着していただきます。それゆえに、しっかり使っていただけない場合、こちらが想定している効果が得られない場合もあります。ご家族の方のご協力が大切です。 |
2、混合歯列期 乳歯と永久歯が混ざっている混合歯列期は、永久歯が生えてくる6才ごろからすべて永久歯に生え変わる12〜13歳ごろまでに行います。 もちろん例外はありますが、ほとんどの場合、1本1本の歯に装置をつけて動かすことは行いません。取り外しのできる装置を使う場合は、ご家族の協力が大切です。この成長期に、必要に応じて上下顎の成長の管理を3次元的に行います。 よって、成長段階の早い時期(7才〜)に行うことが望ましいと考えています。 |
1)上顎前突(出っ歯) 骨の大きさやバランスに問題がある場合。 上顎に対しては、取り外し可能な装置で、上顎骨の発育を抑制したりします。また取り外しはできないですが、上顎の裏側に装置をつけて上顎の6才臼歯のコントロールを行います。 また、「上顎がでている」と思われている患者さんたちの多くは、実は、下顎骨が引っ込んでいることが、原因の一つであることが多く見られます。この場合、下顎骨の成長を阻害しないような取り外しができる装置を使用していただき、成長を逃さないことが、大切です。 上下永久歯列になったら、すべての永久歯に矯正装置をつけて、気になる上の前歯を移動させて引っ込めたりして、最終的な噛み合わせを獲得します。 その際、歯を動かす隙間を作るために、抜歯をすることもあります。 その他、特に顎の大きさに問題がある場合は、口腔外科医の協力で外科手術を併用することもあります。 |
2)下顎前突(反対咬合・受け口) 「下顎がでている」と思われている患者さんたちに、同時に上顎骨が引っ込んでいる方が多く見られます。 上顎の成長期は5〜10歳ですが、下顎は思春期成長期にぐっと大きく成長します。上顎の成長期を逃さず、取り外しのできる装置で上顎骨の成長方向をコントロールして、成長を促進させます。 一方で、下顎臼歯の高さのコントロールを行い、3次元的に上下の顎の成長を管理をします。 成長の終了後、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。その際、歯を動かす隙間を作るために、抜歯をすることもあります。 特に、顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で外科手術を併用することもあります。 |
3)叢生(八重歯など) 成長期のお子さんで、骨格のバランスにも問題がある場合には、成長期間中、必要に応じて上下の顎の成長の管理を行います。 途中、ガタガタの歯が原因で咬み合わせのずれが生じ、成長に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、その部分だけ歯を動かします。 永久歯がすべて揃った段階で、器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。 その際、歯を動かす隙間を作るために、抜歯をすることもあります。 |
4)開咬 成長期のお子さんの場合、骨格にバランスに問題があるのか、舌や指しゃぶりなどの癖のためなのか、あるいはその組み合わせか、などによって、使用する矯正装置が異なります。 また、鼻炎や扁桃腺肥大などが原因で、常に口呼吸をしている場合も、骨格の発育に問題を生じることがあるので、耳鼻咽喉科への受診も必要になることがあります。 成長期間中、必要に応じて上下顎の成長を管理します。 成長終了後に、すべての永久歯に装置をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。 その際、歯を動かす隙間を作るために、抜歯をすることもあります。 特に、顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で外科手術を併用することもあります。 |
5)過蓋咬合 成長期のお子さんの場合、その成長を利用して、上下顎臼歯の高さのコントロールを行うことで、過蓋咬合の状態を軽度に改善することができます。また、同時に上下顎骨の成長の管理もしやすくなります。 永久歯が揃った段階、あるいは、成長終了後にすべての永久歯に装置を装着して最終的な噛み合わせを獲得します。 その際、歯を動かす隙間を作るために、抜歯をすることもあります。 特に、顎の大きさに問題がある場合には、口腔外科医の協力で外科手術を併用することもあります。 |
おとなの矯正歯科治療 当院では、約半数が大人の患者さまです。 そのため、まず顎関節を安定させてから矯正治療を行います。 顎関節の状態や位置を安定させてから矯正治療を行うことにより、診断をより正確にできる可能性が高くなります。 また、それぞれの咬み合わせの状態に応じて、必要であれば抜歯をして矯正治療をすることもありますし、骨格のバランスの問題が大きい場合は、口腔外科医の協力を得て、外科手術との併用になることもあります。 こどもさんのように、成長を利用することはできません。 ですが、これから自分が生きていくうえで、どのように生活していきたいのか。 「矯正治療はこどものため」と諦めず、QOL(Quality Of Life)を高めるために、 矯正歯科治療がお役に立てると思います。 |